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MiChS からの提案

21世紀はバッチからフローへ

21世紀の化学品製造においては20世紀に隆盛したフラスコから始まる拡大型バッチ式製造プラントではなく、安全性に富み、エネルギー効率の良いコンパクトな連続フロー式の製造プラントが主流になるものと予想され、現在も急ピッチで転換が行われています。大阪府立大学におけるフロー化学の研究はいち早く2000年に始まりましたが、その過程で達成された先駆的な研究成果を広くかつ迅速に社会へ還元するため、2007年に大学発ベンチャー・株式会社MiChS(ミクス)を設立いたしました。

独自技術でのミキサーからリアクター開発へ

MiChSの歴史は、高度な微細加工技術に基盤をおき、独自の着想による高い攪拌能力を低い圧力損失で達成したβ型マイクロミキサーの開発(特許取得)から始まりましたが、地域のみならず世界とのコラボレーションにより、フロー型気液反応に有用なマスフローコントローラーの開発、プロスペックの自動条件検索型マイクロ反応システムの開発、フロー型光反応リアクターとLED光源の独自開発を行ない、着実な発展を遂げてきました。さらに最近では、高活性な固定化触媒の開発とともにこれを装填したカラム型フロー反応装置の開発にも成功しています。NMRによる反応のインライン追跡や3Dプリンターによる開発にも挑戦しています。オリジナルな発想によりフローリアクター研究に必要な数々の製品開発を行なった結果、2013年大阪府知財顕彰事業の準グランプリ企業に選定されました。

独創的フロー化学プラントの新事業

2016年より、MiChSの事業はセカンドステージに入りました。本格的なフロー化学プラントの建造を視野に入れた新事業を積極的に展開しています。新規に設立されましたMiChS研究所では、MiChS社独自のフロー反応技術による化学合成反応に加えまして、コンパクトなフロー化学製造プラントのデザインと検証を日夜精力的に行っています。多彩な化学反応を扱う化学製造であるがゆえに、有機合成化学での強い実績と最先端フロー研究における研究成果とがMiChSの力強い両輪です。独自の着想に溢れた独創的なフロー化学プラントがこの研究所から構想され、社会に波及していくことでしょう。MiChS研究所では「コンパクトでグリーンな化学製造」を合言葉に、最先端の共同研究や委託研究そしてコンサルタント業務を活発に実施しています。化学製造の姿を独自の着想と技術そして突破力で転換させる。これからのMiChSの挑戦にご注目ください。